アレルギー性鼻炎は、ご自身でアレルゲン(抗原)を回避することも、大変有効な対策になります。
花粉症やホコリの多くある場所には行かない。
マスクやメガネを装着する。
手洗いうがいなどでアレルゲンを洗い流す。
など、セルフケアをしっかりすることで、症状が大きく改善されます。
投薬による症状の軽減を行います。
服薬として抗ヒスタミン薬などを、外用薬として点鼻薬などを処方いたします。特に花粉症では、薬の選択と開始時期が重要になります。症状やライフスタイルに合わせた薬を提案しております。花粉飛散開始前(1月末)から服薬を開始すると、シーズン中の症状が軽くなることが知られております(初期療法)。
舌下免疫療法とは、舌の裏に口の中で溶け出す錠剤を1分ほどおいてから飲み込む方法で、それを何度か繰り返すことで身体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状が穏やかになるよう体質改善していきます。
現時点では スギ・ダニのみが治療対象となっており、現在受けられる治療法の中では唯一根本的に体質を改善し症状を緩和していくことができる効果的な治療です。
最近の報告では、前年の12月ごろから開始しても翌シーズンに効果出ている場合があることが報告されています。
対象年齢:5歳以上 (ただし、舌の裏に1分薬を保持できることが必要)
治療効果:7~8割程度で、薬が不要になったり、薬の使用量を減らせることができます。
治療期間:3~5年が推奨されておりますが、半年から1年くらいで効果が出る方もいます。
従来のスギ花粉症治療を行っても症状が緩和されない、重症(最重症)の方に対して2020年より保険適応となった新規治療法です。月に1~2回、皮下注射を行います。
アレルギーはアレルゲン(抗原)を排除する目的で体内の免疫システムによりアレルゲンのに対する抗体(IgE)が作られ、さらにその両者がマスト細胞(肥満細胞)と結びつくことで炎症を引き起こす化学物質(ヒスタミンやロイコトリエンなど)を放出し、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状を引き起こします。
抗IgE抗体は、IgEとマスト細胞を結びつかせないようにすることで、アレルギー反応の大元から抑える治療です。(従来の抗ヒスタミン薬や鼻噴霧薬の治療法はマスト細胞から放出された後の化学物質に対しての治療です。)
ただし、使用に関しては厳格な適応基準および高額といった問題もあります。
12歳以上が対象です。
重症のスギ花粉症であることを確認します。採血検査でのスギ花粉に対するIgE値がクラス3以上および総IgE値が30~1500IU/mlであることが必須条件です。
(鼻ポリープや副鼻腔炎の合併などにより症状が出ていないかなどを鼻内電子スコープ検査やCT検査により確認する場合もあります)
1週間以上、従来の治療(抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイド薬など)を行ったうえでの開始となります。
1か月の治療費(ゾレアのみ)は 3割負担で5000円~7万円(投与量によって変わります)となります。それを2~3か月(2~4月)の投与を行います。これに、受診料、検査料、処方料などがかかります。
高額療養費制度の適応となる可能性もありますので加入している保険者に個別にお問い合わせしていただくことをお勧めします。
当院では日帰り手術にて炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を用いて鼻の粘膜を処置します。
花粉症のシーズン前に行うことでそのシーズンの鼻炎症状を弱めることができます。
複数回レーザーを行うことにより効果が高まる場合があります。
残念ながらレーザー治療があまり効果がない、もっと効果的な治療を受けたいという方には手術療法を提案させていただくこともあります。
鼻腔形態改善手術
(下鼻甲介粘膜切除術、粘膜下下鼻甲介骨切除術、鼻中隔矯正術など)
後鼻神経切断術
日帰り手術で対応可能なものもありますが、全身状態、基礎疾患、年齢や手術方法によっては日帰り手術での対応が困難な場合があります。まずは、ご相談ください。日帰り手術が困難な場合や、全身麻酔下での手術を希望される方は、院長が長年手術を行っていた山梨大学病院など適切な医療機関へ紹介させていただきます。
アレルギー性鼻炎とは、さらっとした透明の鼻水が出たり、慢性的な鼻づまりや、くしゃみが止まらないなどの症状を引き起こす、アレルギー性疾患のことです。
私達の身体は、外から入ってきた有害物質などを、くしゃみなどで排出しようとする免疫反応を備えています。しかし、本来有毒ではないものに対しても強く免疫反応が出てしまうことがあり、日常生活に支障をきたすほどのくしゃみや目のかゆみを引き起こす原因となります。
その過敏な免疫反応のことを、「アレルギー」と言い、免疫反応に有毒だと判断される物質を「アレルゲン(抗原)」と言います。
アレルギー性鼻炎を引き起こすアレルゲンは、スギなどの花粉や、ダニなどのハウスダストであるケースが多いです。
さらっとした透明の鼻水がでます。
常に鼻がつまるような状態が続きます。
猛烈な目のかゆみに襲われます。